2005年10月11日
[
活字の海で溺れてしまえ
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■「大奥」1巻
これ、むちゃくちゃおもしろかった。
若い男子にだけかかる疫病が蔓延し、ついに風土病にまでなってしまった江戸時代の日本。男女の人口比は1:4にまで傾き、必然的に我々の知っている現実世界とは男女の役割が逆転した社会になっている。希少な男達は子種を授かるための宝となり、社会的な労働力のほとんどは女達が担うという、そんな社会。吉原には着飾った男娼が女達を待ち、女達は対価を払ってそんな男娼たちから子種を買う。婿が取れるのはある程度裕福な階層のみに許された贅沢。そんな江戸の中で唯一、例外的に見目麗しい男子のみを集めた特殊な異界、それが「大奥」。
よしながふみは「愛がなくても喰ってゆけます。」につづき2冊目だ。「愛喰」で、その食事風景の描写がうまいのをみて、きっとこの人は名手だなと思ったんだけど、いかんせん、基本がBoysLoveの人、なかなか手が出なかった。そこへBoysLove成分のちょうどよさそうな本作が出てきたので飛びついてみたわけだけど、これがおおあたり。やっぱうまい人なんだな。
単純に社会的役割を男女で逆転させただけじゃなくて、けっこうきちんと細かいとこまで考察されているのが読みどころ。性別だけをそのまま交換させるわけではなく、ちゃんと体格的な違いなどは現実に沿った描写になっている。男は女より平均的に体格が大きく、町道場では木剣ふるってやっとうを習う。大奥では、髪を島田に結った将軍吉宗を、派手に刺繍した裃を身に着けた御中臈たちがいっせいに頭を下げて出迎える。そこのところの按配が実におもしろい。
最後に近いところで、吉宗が家督相続に関するある慣習に関して疑問を抱く場面があって、その疑問の抱き方が次の巻以降への期待をもりあげる。
久々に続けて買おうと思った漫画。
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