2004年06月30日
■きゅうけつ
今回販売が認められたのは、フランスのRicarimpex社が150年にわたって品種改良してきたという、水中に住む種類。FDAは、同社が提出した管理方法や、これまで治療に用いられた実績などを評価して安全性を認め、販売を認可した。
ひぇー。蛭ですか。
いや、治療に役立つのならカタツムリでもタガメでもおたまじゃくしでも使えばいいと思うけど。
瀉血ってったら、なんだか中世ヨーロッパの時代劇とかで、医者がろくに器具も薬もない状態で唯一有効な治療法としてだらだら血を流すようなシーンを思い浮かべるよね。
実際治療効果としてはどんなもんかとぐぐって見るとこんな文章がある。
瀉血 phlebotomy さんちゃんのさいと「医療への道」
1) 多血症 polycythemia.
真性赤血球増加症 polycythemia vera および続発性.
2) 原発性ヘモクロマトーシス primary hemochromatosis.
※ 続発性では,貧血を伴う事もあり,基本的に瀉血を行わない.
3) C型慢性活動性肝炎.
※ 特に interferon が効きにくい症例.
4) 肺水腫.
5) 晩発性皮膚ポルフィリン症 porphyria cutanea tarda.
6) 新生児の高ビリルビン血症 Neonatal Hyperbilirubinemia.
※ 輸血と併用.
7) 脳血栓 cerebral thrombosis 時の血液希釈療法.
※ Hct 35 % を目標として瀉血し,同量の低分子デキストランを補給.
さすがに中世の昔みたいに万能の治療法とまでは行かないが、限られた症例には有効な場合もあるようだ。
それにしても、蛭なんか使わなくても・・・。
注射器使っちゃいけないの?
2004年06月29日
■Winnyをめぐるあれこれ
こういうイベントがあったそうだ。
Winny事件を契機に情報処理技術の発展と社会的利益について考えるワークショップ 社団法人 情報処理学会
【ワークショップ概要】ソフトウェアを生産する立場の団体が、ちゃんと危機感をもってこういう行動を起こすのはいいことだと思う。
Winnyについての事件を契機に, P2P技術の現状や、著作権法の運用の現状を知り、情報処理技術の発展を阻害せずに、不正コピーの横行という社会的問題を生じさせないために、何をすればよいかと考える。
で、INTERNET Watchでイベントレポートがあった。Wiiny作者擁護だけじゃなくて、けっこう目配せが広くて、バランスがよかったと思う。
Winny開発者の逮捕理由「著作権法違反幇助」は正当か!? 〜弁護士各氏語る INTERNET Watch
また、Winny開発者の逮捕にも触れ、「幇助の概念は広汎かつ漠然」としている。逮捕時に京都府警が『著作権法への挑発』とコメントして件については、「挑発自体は情状に過ぎず、どうして逮捕に直結するのか理解できない」と疑問を述べた。
さらに、「刑事裁判には専門委員制度がない日本の裁判所に、Winny事件を裁くだけの科学的知見があるのか」と語気を強めた。「著作権法という枠組みで科学技術の将来が決められてしまっていいのか。いささか乱暴ではないか」と指摘して講演を締めくくった。
全然関係ない話だけどさ、一番最近映画を見に行ったのは例の「イノセント」だけど、そのCGパートの画像が恐ろしく精緻なことに驚いたのね。ここでも書いたけどさ。
たとえばオープニングのハダリ組み立て(?)シーンでさ、眼球の虹彩になにか文字が書いてあるんだけどこれなんか家庭用のモニターでは見てて気がつかないんだろうなと思ったよ。
どんなに家電向けのテクノロジがすすんでも、きっと映画というのは何かしらの形態で残っていくんだと思う。あの映画館の大スクリーンじゃないと味わえない感動というのはある。そういう意味で、映画は演劇とか生演奏のコンサートとかに近いテイストがあるんだろう。
これはちょっとあとだしじゃんけんみたいな理屈だけどさ、コンピュータというのはデータをコピーすることが基本的な機能としてはずせない。それはもう、テラバイトサイズのデータベース丸ごとバックアップから動作中のCPU内のレジスタまで、すべての階層でコピーという動作はついてまわる。いまは、たまたまP2Pソフトが槍玉にあがっているけど、著作権付きコンテンツをデジタルデータの状態でリリースするようになった瞬間から、そのデータがどこかの段階でコピーされることは宿命付けられているのだ。
そこでちょっと思いつきなんだけど。
音楽業界はいっぺんアナログ媒体に戻ってみるのはどうだろうか。
要はビデオに対する映画みたいに、お店で買わないと(データだけのコピーだと)味わえない価値があれば、みんな店頭でお金を出すわけよ。今のデジタルデータは、たとえば人間の耳に聞こえないはずの波長の音はザックリ排除することでデータ量を圧縮したりしているんだけど、店頭販売のアナログ媒体なら聞こえようが聞こえまいがオリジナルの音に近い録音をしておいて、それをデジタルデータに落とすとどうしても(聞こえようが聞こえまいが)ナニカが抜け落ちてしまうということになれば、ネット上のデータと小売の音楽ソフトとの棲み分けは可能じゃないかな。
いや、まぁ、思いつきなんで、あんまり考えずに書いてますけど。
“世界に誇るべきソフト”Winnyに合法的利用の未来はあるのか? INTERNET Watch
実装方法を決めるのは難しいものの、Winnyが合法的に問題なく使っていけるようにするには、データを削除する手段を付加することが必要だと指摘する。
また、「WEB110」代表の吉川誠二氏は、プライバシー侵害の被害者救済という観点からコメント。Winnyの開発者が逮捕・起訴されたことについては妥当とは言い切れないとしながらも、「今回、もし開発者の責任が何ら問われなかった場合に、権利を侵害された方の救済方法はどんなものがあるのか。開発者の責任を問う以外に、権利侵害を統治する方法が現時点では見あたらない以上、逮捕は仕方がない」と見ているという。
モーニングというマンガ月刊誌の7月号に「アキバ署」(瀬尾浩史)というマンガが載っていた。隔月連載ということなので、見逃した人も待っていればそのうち単行本が出ると思う。しっかりしたデッサンとストーリーで、読ませるマンガだった。ネタはまさにP2Pによるプライバシー侵害。一度P2Pのネットにあがったものは、というかそもそもP2Pに限らず何らかの形でネットに流通したものを完全に削除することは事実上不可能だ。それに対してこのマンガでは、かなり強引で型破りな決着をつける。作中で、せりふだけだけど、この決着が決して問題の解決にならないことに言及しているのもなかなかよろしい。モーニングは大人向けのマンガなので、こういう、さらに大きな問題を起こすことによって小さな問題を塗りつぶすような解決方法もアリだろう。
考えてみれば出てきて当然の問題なのに、俺はこのマンガを読むまで思いつかなかった。うかつ。なるほど著作権侵害よりもこっちのほうが事態は深刻なんだな。
ただし、それでも、吉川誠二氏のいうような製作者の逮捕は当然とは、俺は思わない。わるいのはプライバシーをネットに流したやつだから。
Winny暗号化アルゴリズムの詳細が明らかに〜Winnyワークショップ
中でも注目されるのが、Winnyの通信における暗号化アルゴリズムの詳細が明らかにされた点だ。特に通信路の暗号化については、確かにデータそのものはRC4暗号で暗号化されているものの、コネクション確立直後に流れるパケットの中にRC4暗号で使われる共通鍵がそのまま入っているために簡単に暗号を解読できてしまうという。この点を同氏は「まさに金庫に鍵をかけて、その鍵をそのまま金庫の上に置いておくようなもの」と表現した。へぇー、へぇー、へぇー、・・・(連打)
野次馬的興味から言うと、京都府警がこういう事実を把握していたかどうかってことだけど。
ESPIO:Winny捜査手法の一端が判明 ESPIO
公判概要(Winny作者の幇助裁判じゃなくて、正犯のほう) ESPIO
「被疑者掲示板から確認する方法」 ESPIOメルマガ バックナンバー
または巷間噂されていたように、匿名化されていないWinny の掲示板上での「放流告知」に注目して、捜査が行われたとされる点であ
る。つまり、IPアドレスが秘匿されていない掲示板設置者にターゲットを絞ったというのである(実況見分調書で言う「被疑者掲示板から確認する手法」)。
結局、最初から身元がわかっているも同然の容疑者をずっとマークしていた結果の正犯逮捕らしい。
それにしても、捜査を担当したという京都府警の巡査部長が証人として出廷しているけど、その人がWinnyの挙動はおろかポート番号だとかの基本的な用語に答えられてないのが気になる。これはたとえば交通事故の裁判で、AT車におけるクリープ現象って何ですかって質問に交通課の巡査がわかりませんと答えるの等しい。この無知ぶりは裁判上の戦略かなにかだろうか。
検察や裁判所は今後、「挑発自体は情状に過ぎず、どうして逮捕に直結するのか理解できない」などといった問いかけに答えていかなきゃいかんわけだが、答えるだけの見識を彼らはもっているんだろうか。
2004年06月28日
■バカが見る
「バカ世界地図」 借力
すげー。バカ日本地図がいつのまにかワールドワイドにグレードアップしてた。中東なんかイランとイラクとサウジとエジプトしかない。オーストラリアとか、爆笑ものだ。
ただ、この地図を見てると不安になってくる。オレにこの地図の突込みどころをすべて指摘できるだろうか。
オレももしかするとバカの一人か?
指摘すればするほど、取りこぼしがないのか、間違って指摘してないか、すごく不安になるいい地図だ。
2004年06月22日
■ルナエンパシー
不夜城氏よりお題頂戴。いつのまにか日本法人なんてできてたのね。似たような会社は10社くらいあるらしい。
野暮な興味で書くとやはり、ほんとに所有権を主張できるのかってことだよね。一番身近な月でも、不動産としての価値が出てくるのは曾孫の代でもおっつかないだろうけど。
ぐぐって見ると、記述されているサイトはあんがい少ない。
ルナエンパシー
で、ちょっと関連しそうな文章を探してみた。
宇宙条約
第二条【領有の禁止】
月その他の天体を含む宇宙空間は、主権の主張、使用若しくは占拠又はその他のいかなる手段によつても国家による取得の対象とはならない。
第六条【国家の責任】
条約の当事国は、月その他の天体を含む宇宙空間における自国の活動について、それが政府機関によつて行われるか非政府団体によつて行われるかを問わず、国際的責任を有し、自国の活動がこの条約の規定に従つて行われることを確保する国際的責任を有する。月その他の天体を含む宇宙空間における非政府団体の活動は、条約の関係当事国の許可及び継続的監督を必要とするものとする。国際機関が月その他の天体を含む宇宙空間において活動を行う場合には、その国際機関及びこれに参加する条約の当事国の双方がこの条約を遵守する責任を有する。
月協定
第十一条 人類の共同遺産
1 月およびその天然資源は、人類の共同遺産である。
2 月は、どんな手段であっても国の所有物にはならない。
3 月の表面、地下、あらゆる場所は、国を含むどんな団体、または個人の
所有物にはならない。
科学調査の為、機材を設置しても、その事によりその場所が所有される
事はない。
月協定は明確に個人所有と営利目的の利用を禁じている。
だけど月協定の難点は、ロケット打ち上げ能力のある国のほとんどが批准していないこと。つーか、批准している国のほうが10カ国しかない(フランスは署名のみしているようだ)。
で、もうひとつの宇宙条約のほうだけど、こちらは国の所有は禁じているけど個人の所有に関しては記述がない。この記述がないってところが肝で、月や火星上の土地に対して「ここはオラんだ」って主張するだけなら、別に違法じゃないだろうっていう考えだね。たださ、個人の所有を誰が保障するかというとコレはけっきょく、国家なんだよね。
国家が領有できない土地を個人的に所有できるか?ってテーマで考えるとこんなのが見つかった。
天体の土地売買の法的評価
つーことで、なんだかすごく無味乾燥な結果がでました。
野暮はコレだからいけませんな。
続きを読む "ルナエンパシー"
2004年06月17日
■みゃおう。
古来より、動物との会話は人間の夢でもあった。
日本には聞き耳頭巾という御伽噺がある。それをかぶると動物たちのおしゃべりを理解できるという不思議な頭巾のお話だ。また、海外の児童文学には「ドリトル先生」シリーズというビッグネームもある。やはり動物たちの言葉を聞くことのできる獣医のお話だ。ふりかえって現実世界では、ペットの鳴き声を限られた単語に翻訳する電子玩具などもあり、これは海外でも反響を呼んだ。これらはみな、言葉を持たぬ動物たちと自由に会話ができたらいいなという願望を人々が普遍的に持っていることの証である。ただし、これらのアプローチはすべて人間の側からアクションを起こしたものだ。
しかしここに、有史以来初めての新しいアプローチが開始された。ついに動物の側から人間にメッセージを送ってきたのだ。
これは念力ブログに続く、人類史を塗り替える可能性もある画期的な試みといえる。
おしむらくは、言語の記号化の手法に改善の余地がある。おそらく猫族にとって、自らの言語を文字という有限の記号を組み合わせて表現するという文化は本来的なものではないのだろう。リンク先のサイトではいまだ実験中であろう試行錯誤の跡がみてとれる。同じアルファベットが数十バイトも連続しているところなどは、おそらく、猫族特有のごろごろごろ音を無理やりアルファベットに置き換えようとしているのだと推測する。リプリー氏には、単純に発声に対しアルファベットを割り当てるよりも、猫語の構造を解析してまずは単語とアルファベットの対応表を作成し、サイトに掲載することを希望する。
猫族にも、犬族のように嗅覚をベースにして(体臭などにより)スタティックな記録を残すことは行われてきたようだ。街中でも、塀の角っこや気に入った人間などに耳の後ろあたりを擦り付ける行動をよく見かける。これは犬族が尿をつかって電信柱にしるしをつける行為と同等だといわれれている。嗅覚ベースの記録は、我々人間が使用する文字ベースの記録と違い、表現したい事項のみならず記録した個体のその瞬間の体調やある程度の感情的な機微まで残すことのできるたいへん情報量の多い優れた方法である。しかしいかんせん、嗅覚や味覚をベースとした記録は、複製が極端に難しい。
文字ベースであれば、記録の複製を取ることは比較的容易でだ。記録したい情報は、文字を描く媒体(インク、墨、岩壁の引っかき傷など)ではなく媒体が形作る形状に宿る。そのため、情報の複製を取る場合は別の媒体を用意し同じ形状を作れば事足りる。しかし、体臭のように個体差の著しいものを記録媒体に使う場合は、複製を取ることはほぼ不可能である。仮に別の個体がまねをして記録をしたとしても、その記録の中に個体ごとの情報が記録されてしまうため、出来上がるのは複製ではなく、別の個体が真似して作成した違う記録である。
そのため、嗅覚ベースの記録を使用する種族は、哲学分野はともかくとして、おしなべて自然科学分野を発展させることに不利な状況を強いられてきた。猫族の化学が十分に発展すれば、あるいは膨大な種類の化学物質から各個体ごとの専用の香水のようなものを合成し、それにより記録を複製することが可能になるのかもしれない。しかしそれを実現するには、まずは、正確な記録を蓄積し、容易に複製できる環境を整えなければならない。
リンク先のサイトは、猫族による文字ベースのテクノロジーを習得するための果敢な挑戦のひとつであろう。
ていうかさ、あの手この手で更新するネタ探してくるよな。猫が飽きたらどうするんだろ。
2004年06月16日
■けちくさい悪さ
snjxさんは下着泥棒 です!
● 下着泥棒さんのあなたは、負けず嫌いでちょっとのことではへこたれないタイプ。現実的であると同時にロマンチストでもあります。好き嫌いをはっきり出し、嫌いな人には無頓着になることがあるので敵も多かったりします。正直でウソがつけないので、恋をするとその喜びを周囲にアピールしてしまう可愛いところも。
● snjxさんがこれからおつき合いする人の数は、1人です!
しらなかった。下着泥棒って純愛だったのねー。
あたってないとかいう以前に、なんでこれで下着泥棒なのか。
8位 ★下着泥棒
ファッションに工夫を
えーえー。どーせね。ぷんだ。
■バナーもらっちゃいました

Peekabooの常連、すくちゃんに作ってもらいました。ありがとう。
バナーつきでうちをリンクしてやろうという酔狂なお方は、こんな感じでお願いします。
<a href="http://www.mars.dti.ne.jp/~snj/">
<img alt="Super Neurotic Junction" src="http://snjx.net/mtx/archives/image/snj-bunner3.jpg" width="235" height="60" border="0" />
</a>
かっこいいー。
2004年06月14日
■戦後の小説
たしかに「戦後」には生まれつき、いじめられやすい体質があった。小松左京さんは『日本アパッチ族』『地には平和を』などのSF小説でこれを表現している。とんでもない過ちを経て、なにかの僥倖にも助けられ、やっと私たちが手にした平和な戦後。しかしそれは、いかにもはかなげで、もろく、弱々しく。だからこそ、ますますいとおしく。60年代の小松作品と話題の近刊『終戦のローレライ』の落差を興味深く読んだ。
どれも読んでいるのに気が付かなかった。たしかに落差はある!
それはどっちがいいとか悪いとかいう話ではない。「戦後」というものに対するまなざしの違いだ。
まさしく戦中から敗戦そして戦後という昭和史のど真ん中を生きてきた小松左京の作品には、敗戦という強烈な経験を消化し、自分の血肉としようというバイタリティがあふれていた。あんまりあふれすぎてて、『日本アパッチ族』では難波の日本人が食鉄人種に変化し、米軍の廃棄した兵器やスクラップを焼いて食っていたほどだ(小松左京は今読んでも面白いね)。
それにたいして『終戦のローレライ』は、敗戦から現代までの経緯を一歩離れた位置から俯瞰して、物語を作ったようにも思える。それはたぶん、戦争を知らない世代じゃないと思いつかない、あるいはたとえ思いついてもなかなか指摘しにくい視点なのだろう。
Googleで「終戦のローレライ」を検索している最中に見つけた文章である。
ははぁ、こういう見方も面白いなと思ってエントリを起こした次第。
「終戦のローレライ」上:下 参考にリンク
2004年06月12日
■「川の名前」
菊野脩、ゴム丸こと亀丸拓哉、河童こと河邑浩童。小学校5年生の少年3人。
彼らと一緒にひとあし早い夏休みを過ごした気分だ。ああ、なぜ大人には夏休みがないんだろう。
多摩川流域の、ありそうでなさそうな支流のひとつ、桜川。そこを舞台に繰り広げられる少年たちのひと夏の冒険。小学五年生三人が、夏休みの自由研究の課題に選んだのは、自分たちが住む地域を流れる川だった。それも単純に川を眺めているだけじゃない。その川には彼らだけの秘密があった。なんとそこには、どこから迷い込んだペンギンの夫婦が住み着いていたのだ。
そう、この物語は、本格「川」小説であると同時に本格「ペンギン」小説でもあるのだ。
続きを読む "「川の名前」"2004年06月11日
■責任者でてこい
漂流する日本の宇宙政策、責任を巡って打ち上げ再開にゴーサインが出ず 日経BP
↑こういう記事を読んでから、こんな新聞記事を見つけたりするとがくーりボタンを押したくなる↓。
宇宙機構理事長ら処分、ロケット打ち上げ失敗などで 読売
昨年のH2Aロケット6号機打ち上げ失敗や、環境観測技術衛星の運用停止などのトラブル発生を巡り、宇宙航空研究開発機構は9日、山之内秀一郎理事長ら理事6人を厳重注意処分にした、と発表した。懲戒処分ではなく、同機構の内規に基づく処置。6理事は7月から、6―3か月間、給与の10%を自主返納する。
H-IIAロケット6号機打上げ失敗等に関する役員の処置について JAXAプレスリリース
理事長談話 JAXAプレスリリース
日本語で責任というと大雑把に二通りの意味がある。
(1)自分が引き受けて行わなければならない任務。義務。
(2)自分がかかわった事柄や行為から生じた結果に対して負う義務や償い。
前者と後者ではだいぶ意味が違うが、おなじ「責任」という単語で表現されている。こういうのがどうもあれこれ混乱の元になっているのではないだろうか。
宇宙開発に関していえば、必要なのはリーダーシップを取る「責任」者であって、失敗したときの詰め腹切り要員としての「責任」者ではない。今回の給与自主返納が、今後の打ち上げ成功率上昇や衛星の品質向上にどのようにつながっていくのか、そもそもほんとにつながるのか、知りたいのはそこなんだがな。
宇宙開発に限らず同様の勘違いはあちこちにありそうだ。
2004年06月10日
■闇の前に
↑この記事を見て、ああ、と腑に落ちた気がした。「長崎県警佐世保署などは、2人の仲の良さを示す事実とみており、」とあるが、間違ってはいないものの、これはちょっとミスリード。
今までネット上で目に入った中で一番冷静で的確な分析をしていると思われる文章がこれ↓。
読冊日記 6月9日 form サイコドクターあばれ旅
つまり、イヤなことを書かれた彼女は、掲示板やメールで抗議するのでもなく、直接話し合うのでもなく、いきなり相手のサイトの該当する書き込みを消すという挙に出たわけだ。そりゃ相手も態度を硬化させるだろうし、トラブルもこじれるだろう。第一、それは不正アクセス禁止法違反だ。
この事件についてはおれも「心の闇を飼いならせ」なんて我ながら妙に詩的な表現をしたけど、そんな抽象的なことを言う前にもっと具体的に教えることはあるみたいだ。たとえば、パスワードは銀行の印鑑なんかと同じように扱うべきだ、とかなんとかそういうすごく基本的なこと。これがあんがい大人でもできてない人は多いんだな。
たぶん、保護者や教師や周りの大人に、ネットなりインフラなりの常識をわきまえてて、それを教えてくれる人がいなかったんだろう。
出来事はショッキングだけど、その後ろにある心理やそこに至るまでの過程は、割合ありふれた事件なんだな。
2004年06月09日
■勘弁してくれ
イラクで拘束の渡辺氏、「自衛隊派遣が原因」と国提訴 日経
「人質で被害」と国に賠償請求 イラクで拘束の渡辺さん 産経
ウーワー。人ガセッカク弁護シテヤッテンノニ(←笑うとこ)。
一連の自己弁護騒動で、俺は基本的に元人質たちに自己責任云々でなにか言うのはどうなのよってスタンスであれこれ言ってきた。
彼らに自己責任を問える立場ていうのはそうはいない。マスコミは時節を見てウケそうな方を叩いているだけ。政府関係者はいちいち予防線など張らずに粛々と義務を遂行すべきだ。その他のやじうまは、まぁ別に好きなこといってもいいんだけど、たいがいは個人攻撃以上のことをしていない。
そもそも、自衛隊派遣の是非は、日本の外交姿勢に直結する問題だ。自己責任を追及することで、是の立場でも非の立場でも、なにかしら議論が進むモンだろうか?俺はミスリードするだけだと思う。
ようするに、自己責任論争はもともと傍流であるべき話題であり彼ら個人の反省に完結されればいい。それにいつまでもこだわるのは、なにかの動機で議論をミスリードしたいのか、すくなくともミスリードに気が付いてないのだろう。
しかし、この裁判の論の立て方は(短い記事から判断できる限りは)、まさしくその傍流の話題にミスリードする行為だ。
たぶん、平和憲法を金科玉条にして、違憲だからだめっていうショートサーキットから抜け出せてないのだと思う。金科玉条を守るためだから多少の理屈のねじれはOKとされているのかもしれない。サヨク系の言説を蛇蝎のごとく嫌う人がいたりするのは、こういうやり方がダメなんだろう。しかし、すでに改憲だの創憲だのの議論がでているなかで、違憲=×ってだけじゃ説得力をなくしつつある。メリットやデメリットを検討した上で、なぜそう主張するのかを説明するべきだと思う。これからの護憲派は、改憲したがる人の問題意識にどう答えるかを考えないと。
それでも俺は国際紛争に武力を使用せずってのは残すべきだと思うけどね。
2004年06月08日
■棚にしまうな。取り出すな。
いやー。このそこはかとなく漂うマチガッテル感といったらもう。
これってなぁ売れてんのかね。
なんとなくいやなのが、生きてるもんが歩いていくのではなく骨壷のほうからコンベアで移動してくるところ。それと、骨壷が手元にきたときに、勝手にビデオかなんか流れくさるところ。
自分でも何が気に入らないのかうまく説明できないけど、こんな埋葬の仕方をされるくらいなら、いっそ粉にしてそこらに撒くか、子供のころ飼っていたインコのミーシャといっしょに駅前通りのプラタナスの木の根っこあたりに内緒で埋めといてくれ。同じようにティッシュかナニカにくるんで。
2004年06月06日
■ごすろりだ、ごすろり
男は30〜40歳、約1メートル80のガッチリ型で裸足。肩まで伸びた黒い長髪は「一目でカツラに見えた」(店員)。着衣は、黒のキャミソールに黒のパンストのみ。ゴスロリ系ファッションをグロテスクにしたものだった。
ごすろりにしちゃちょっと軽装じゃないか?キャミにパンストって。
新宿2丁目だってさ。とーきょーは怖いとこだよ、ママン・・・。
2004年06月04日
■おなかすいた
ふと思い出したんですが。全然関係のない話ですけど。
わたしの友人はその昔、付き合っていた彼女にビーフ・カタストロフなる代物を作ってもらったことを自慢げに話していました。
ハヤシライスに似ていてうまかったといいますが、そんな破滅的なハヤシライスがあるものでしょうか。機会があればぜひ食してみたいです。
うれしそうに話す彼を温かい目で見守りながら我々友人一同は、彼のいいまつがいを指摘することはありませんでした。友情のほどが知れるというものです。
もう何年も会っていませんが、彼は今でもカタストロフを食っているんでしょうか。
2004年06月03日
■ブッシュの誤解?曲解?
3日からの欧州歴訪を前にしたこの日の演説で、大統領は自由を守るために第二次大戦でともに戦った記憶を呼び覚ますことにより、イラク戦争で対立したフランスに関係修復を呼び掛けた形。フランスに呼びかけといて、じゃあドイツとイタリヤと日本はどうなるんだよって突っ込みはほかにもいっぱいしている人がいるんだろうね。とりあえずおいとく。
「テロとの戦い」は第二次大戦と同じ 米大統領演説 CNN
ブッシュ大統領は「テロとの戦い」について、「独裁者を信奉した人々と自由を信奉した人々との間で起きた、20世紀の壮大な争いに似ている」と描写。「我々の、この世代の目標も同じだ。自由を前進させ、我々の国を安全にし、平和を守るのだ」と強調した。これは根本的に違う。素人目にも違う。
第2次世界大戦と現在の「テロとの戦い」とはまったく似ているところがない。
第2次世界大戦は、まがりなりにも国家VS国家の図式が成り立っていた。戦時には敵国人は基本的に敵だ。個人個人の人となりや背景なんかたいして気にする必要はない、せいぜい軍人か一般市民か、戦う意志をもつか持たないか、そのくらいを気にしていれば、あとは半ば自動的に取り扱いを決定できた。戦争そのものの是非はともかく、戦時の当事者たちがなにか判断するときは敵か見方かの二分法で万事OKだ。そこでは軍隊の理屈がたいへん有効に働く。
これが「テロとの戦い」となるとどうなるか。
「テロ」とは地政学的勢力の名称ではなく攻撃手段の名称だ。テロの背景は千差万別で、必ずしも国家が背景についているとは限らない。一宗教指導者の予言を実現するために毒ガスを撒くテロが発生したのはほかならぬ日本だ。国家ないしは独裁者のほうがテロを利用することは大いにありうるが、テロの実行者自身はむしろ国家から離れたところで行動する。誰かわかりやすい敵を見つけて、物量で押しつぶしてもそれで終わるという保証がないことはまさしく現在進行中のイラク戦争(アルカイダは今でも元気だ)や、おなじく古くから進行中のイスラエルVSパレスチナ問題などが証明している。
カウンターテロに本当に有効なのは軍隊ではない。テロリストは一般市民の間に溶け込んで行動する。テロリストの行動は外国で活動するマフィアなどの行動とシームレスにつながり、マフィアそのものは他の国に暮らす同国人の互助会のような組織から発展していたりもする。それに対抗できるのは軍隊の行動原理ではない。軍隊の論理は、自分以外は基本的に敵とみなして差し支えない状況ではじめて有効に機能するものだ。ぎりぎりまで善意の一般市民と区別がつかない相手に対処できるのは、警察だったり税関だったり各施設の警備要員だったり、そういう人たちじゃないかと思う。たとえば某国の拉致だって、まず動くべきは警察なり公安なりだったはずだ。それらの機能が適時に適切に働かなかったから(働けなかったから?)、いま、外交問題で妙なこじれ方をしているともいえる。
ブッシュ自身はそのあたりのことに気がつかなくても、それを指摘できる人材はホワイトハウスならいるはずなのに、なぜこうも、素人にも指摘できるような的の外れた主張を続けるのだろう。
そのわりに、妙な気遣いはみせたりして。
米大統領、空軍士官学校卒業式挨拶で「偉大なる聖戦」省く ロイター
大統領は、60年前にアイゼンハワー連合軍司令官が将兵に送ったメッセージを引用して 現在の米国のテロとの戦いが、第2次大戦当時の対ナチスドイツとの戦いに似ているとしたが、イスラム社会の反発を招くことが必至となる「偉大なる聖戦」という個所を省いている。けっきょく、国は相手にしても宗教は相手にしたくないってことか。アメリカ国内にもイスラム教は深く根を張っているだろうから、身の内からテロの芽をはやかしてたくなかったんだろうね。つまり、世界中の一般市民の間にテロリスト候補者を作ると、軍隊式では対処できないことはわかってるんだな。
おフランスにお愛想振り撒いてみたのはこれがあるからだろうか。
仏大統領、米英のイラク修正決議案に不満表明 読売
シラク仏大統領は2日、記者団に対し、米英両国が提示したイラク主権移譲に関する国連安保理決議の修正案について、「さらに改善すべき点がある」と述べ、イラク暫定政権の発言力を軍事面で強める必要があることを強調した。アメリカは、最終的にどうしたいんだろう。もしかしてそろそろイラクから手を引きたいのか。少なくともアメリカひとりでイラクをしょって立つのはそろそろめんどくさくなってるのかも。もっとも、そうすると、いまアメリカが独占している各種利権をあきらめたりとか、極端な話、民主化した結果の反米政権誕生の可能性まで受け入れなきゃならないけど、どうだろうかそのへん。
ブッシュ米大統領は訪欧を前に、フランスの写真週刊誌パリ・マッチと会見し、「だれだって(外国に)占領されるのは嫌なものだ。私がイラク人の立場だったら、同じように思う」と話し、米軍の占領に反発するイラク国民に理解を示した。誰の口が言うのかという突っ込みは言わないでおこうと思う。
AFP通信が3日発売の同誌の内容を報じたところによると、大統領は、イラク人武装勢力について、「すべてがテロリストというわけではない。自爆犯はテロリストだが、ほかの武装勢力は違う。彼らは外国に占領されたくないだけだ」と分析。「だからこそ我々は、6月末までの完全な主権移譲を保証している」として、国連安保理に示した修正決議案への理解を求めた。
■晴らしようのない闇
ネットに「嫌な書き込み」 加害女児を家裁送致 共同
文科省、小6女児殺害事件で生徒指導の連絡会議を開催 日経
女児を家裁送致、少年鑑別所に収容 長崎の小6死亡事件 朝日
小6女児事件、加害女児を少年鑑別所に移送 読売
子供といえども心に闇は抱えるもので、その深さや複雑さは大人と変わらない。それは別に今に始まったことではなくて、たぶん人間がこのでかい脳髄を抱えて生まれてくるようになった太古からそうなんだと思う。
大人と子供の違いはただ、その闇を、うまくいなして飼いならすテクニックを知っているかどうか、それだけである。
子供の闇を理解しようとしてもそれは無理だ。不可能だとは言わないが、それはひとりの大人を丸ごと理解して受け入れるのと同じだけの時間と努力と誠実さが必要だ。そう簡単にはいくまい。血のつながった家族でも、無二の親友でも、たった一人の恋人でも完璧に理解するのは難しい。ましてやニュースの向こう側にいる子供のことなんか理解できるもんか。
大人にできるのは、賢しらに子供の闇を理解しようとしたり、理解したフリをすることではない。
やるべきことはただひとつ、闇の飼いならし方を教えることだと思う。それだって簡単じゃないけど。

