2004年02月22日

[  事象の地平線、物語の水平線  ]

王が帰還した

王の帰還を見てきた。いやぁ、閉所恐怖症や高所恐怖症の人には地獄のような映画だったね。モンドールのくねくね階段を上っているところなんか、スクリーンの向こう側に落っこちそうだったよ。
映画3部作を通して最もすばらしい演技をしているのがイライジャ・ウッドでもリヴ・タイラーでもなく、CGキャラクタのゴラムことスメアゴル。
いまどきの映画でCGを使ってることなんか別に珍しくも何ともなくて、それだけでは評価はできない。問題はそのCGをいかにこだわって作るかということ。その点で俺が評価するのは最初のジュラシック・パークの恐竜たちとバットマン2のペンギン。あとはこの指輪のゴラムだ。
ひねこびた精神の発露である、突然爆発する暴力と、徹底して自虐して見せる保身。「わしら」という言葉遣いにちょっとわかり安すぎる解釈をつけたのが不満だけど、その造型と”演技”は、すばらしいの一言。ここまで作りこんでくれれば、文楽のような伝統芸能と同列に並べてもいいかもと思ったぐらい。
けっきょく指輪は最後まで悪の指輪だったし、ゴラムも最後の瞬間までいじけた怒りに満ちた悪役だった。そこのところに変に甘い結末をつけなかったのは、俺としてはかなりポイントは高い。

指輪世界を織り成すもうひとつの重要な横糸として、アルウェン=アラゴルン=エオウィンの微妙な関係も見所のひとつ。いや、ま、結末は知ってたんだけどさ。おれとしちゃ強くて健気なエオウィンのほうがいいよなぁ。ずっと前線でふんばって、他のキャラクタにまけない手柄を立てたのに。会戦前夜にアラゴルンがエオウィンにむかってなぜここにいるのかと聞いたときにエオウィンはそんなことあなたもわかってるでしょうと返事するんだけど、そのときのエオウィンの気持ちってどんなんでしょうね。彼女にとってアルウェンは、アブラアゲを目の前でさらっていったとんびなのかも。でもエオウィンは恨み言なんか言わないんだなぁ。そこんとこどうよ皆の衆。

余談だけど、昔、原作を読んでいたときには、朝晩の通勤時間を利用してむさぼるように呼んでた。ちょうどそのころはカロリーメイトを朝食にする習慣があって、いつもこう、駅につくまでにもぐもぐやりながら歩いて、満員電車の中で斜めになりながらフロドたち旅の仲間と冒険の続きを歩んでいた。だもんで、おれにとってレンバスとはカロリーメイトのチーズ味なのだ。

投稿者 snjx : 2004年02月22日 17:08
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