例の愛・蔵太HPで劣化ウランの話題を追跡中。なかなかハードな話題が進行している。
これは自戒を込めていうことだけど、「劣化」した「ウラン」という字面に引きずられて、けっこう気づかずに知ったかぶりしてることは多いかもしれない。劣化ウランが天然ウランから発電用の濃縮ウランを抽出した後の絞り滓だというのは一般常識として知っていたけど、それでもなんだか空気中でもチェレンコフ光で青白く光っていて四六時中カンカン放射線を出しているヤバヤバの物質というイメージを漠然と持っていたことは確か。
実際のところは、その密度を利用して民間旅客機のカウンターウエイトに使われたり、民生の工業分野でも意外とメジャーに使用される物質だったりする。劣化ウランの出す放射線もα線が主で、こいつは厚紙一枚でも遮蔽できる。体の外側からくる劣化ウランのα線はたいがい皮膚や洋服で遮蔽できるのでそれほど問題にはならない。ちゃんと扱えば利用価値の高いブツらしい。
ただし、兵器に転用した場合、着弾する際の温度で燃焼する特質を利用したりするので、遮蔽されない微粒子が空気中に散乱することになる。問題は、そういった微粒子含みの空気を呼吸したり、汚染された水を飲んだりした場合の人体への影響に関する科学的なデータがきちんと提供されてないことだと思う。
だもんで、すでにつかっちゃった側は「因果関係がない」と開き直れるし、使ったことをバッシングしたい側はあることないこといってあおる余地がたくさんあるわけ。ま、比較的新しい兵器なので、データがないのはしょうがないともいえなくもない、かもしれない。
別に弁護するわけじゃないけどひとつ注意すべき点は、愛・蔵太氏は決して「劣化ウランは安全な物質」とかいっているわけではない。劣化ウランに対して反対を表明しているHPを槍玉に挙げているので一見そのような印象を抱きがちだが、実はそうじゃなくて、愛・蔵太氏の主張はつまり「どうせ議論するならなるだけ正しいデータをたたき台にしよう」ということ。
戦争反対のお題目のひとつに「劣化ウラン」を持ってくるのはいいとしても、思い込みから発した間違った情報をもとに議論したって、水掛け論にしかならない。それは本来の戦争反対という主張にとってもいいことではない。
インターネット(の検索エンジンなど)は大量の情報から必要なデータを抜き出すのに強力なツールとなるけど、それぞれの情報の真贋を見抜くにはちょこっとだけコツと手間がかかるもんなんだね。