ブッシュが新型宇宙船の開発とシャトル退役の見通しを発表したのはつい最近のこと。
もともと威勢のいい事を言いたがる親子な上に、イラクの占領政策失敗や大量破壊兵器でっち上げスキャンダルから内外の視線をそらそうとしてるのではなかろうかって勘繰りもあって、期待半分不安半分。
どうもあちこち検索して回ると、コロンビアを失ったすぐあとに発表されたOSPがそのまま次世代機としてGOサインが出る模様(日本語記事はこちらなど)。曲がりなりにも翼の有るタイプが3種類にアポロ・ソユーズ型に回帰したタイプが1種類。いずれにせよシャトルのような大型のペイロードスペースはもたずに、基本的に人間だけ運ぶ仕様みたい。OSPのポイントは既存のテクノロジーをフルに活用して、短期間で信頼性の高い機体を開発しようというところ。simple is best を目指すということか。去年紹介した本、われらの有人宇宙船―日本独自の宇宙輸送システム「ふじ」の議論を思い出す。新型宇宙船の計画自体は、スペースシャトル計画の大胆さから比べるときわめて堅実のようだ。
その代わりにブッシュは、月面へ恒久基地を作ることといずれ火星へ人を送ることを目玉としてぶち上げた。
アポロ計画のときは、宇宙開発も半分くらいは軍拡競争の尻馬に乗っかってある程度採算を度外視したイケイケどんどんで進むことができたんだが、今度はどうだろう。月面へ何かしらの施設を設営するのは不可能ではないだろうが、採算が取れるだろうか。
ソビエト崩壊以降、あのアポロのころのようなやたらに過大な情熱を再燃させることはきっと難しいと思う。よっぽど安くいけるとか、将来的に新資源が手に入るとか、なにかしら経済的なご褒美を提示できるかどうかがキモのように思える。
その辺も期待半分不安半分。
もっともアメリカの航空宇宙産業は、日本が土建業界を食わせるような意味合いで発注する公共事業と同じ側面がある。同じ利益誘導型の公共事業でも、日本は国土の内側にこもって、アメリカは星の外まで飛び出ようとしている。いろいろ歴史的な背景があるとはいえ、うらやましいことである。政治的な思惑に経済界がうまくのっかれば、かなりなことを実現してしまうかもしれない。ほんとに火星までたどり着くとか。いずれにせよ、よその国にミサイルを打ち込むようなやりかたよりは、経済振興策としてはずっとマシだ。ミサイルは死体と瓦礫しか残さないが、ロケットはうまくすれば未来の職場をもたらすのだ。